ラビ・エデリー、北海道の温泉を視察
日本全国には間欠泉や温泉が山や川、湖付近に存在しています。その内のいくつかは商業化されており、温泉水を汲み上げ、りょか人や天然温泉などを作っています。場合によって天然の温泉水に通常の水道水が追加されることもあります。
ラビ・エデリーは温泉を視察するために北海道を訪れました。ユダヤ教の律法によれば、「コーシャミクヴェ(儀式用の風呂)」には特別な規定が存在します。「コーシャミクヴェ」となるためには人工的なパイプやポンプを使用せず、使用されている水は全て自然由来のものでなくてはなりません。(その他にも、身体が全て浸かる湯量でなければいけない・ 地下水や雨水、雪解け水、海水など自然由来の水でなければいけないなどユダヤ教のラビによる規定が存在します) 視察先の幾つかのの温泉はコーシャでしたが、水温が高く、入浴には適していませんでした。その内の1つの温泉は摂氏約90度、硫黄の匂いがとても強く、空中に蒸気が上がっていました。
ラビ・エデリーが訪れたもう一つの美しい温泉は、北海道の支笏湖のそばにあるものでした。温泉は岩盤から出ており、温泉から湖につながる細くて小さな水路から流れています。温泉と湖の水位は同じ高さにあり、入浴の際は息を呑むような景色が楽しめます。また紺碧色の湖の背景には5つの山々が聳えています。この奇跡的な風景は言葉に出来ない程です。
日本の温泉とユダヤのミクヴェは、両文化に共通する特別な要素の一つです。ミクヴェは、人々を浄化するために使用され、ユダヤ人の生活において最も基本的で欠かせない施設です。日本人は古来より温泉に浸かることで身体的にまた精神的な癒しを求めてきました。
(ユダヤの)歴史上で間欠泉と温泉について最初に触れられているのは、全能者である神がノアの時代に大洪水を引き起こしたときです。大洪水は神によって地上に間欠泉が造られたことで引き起こされたと云われています。洪水の後に神はそれらの全てを閉じることなく、私たち人類が自らを癒し、浄化するために残したと伝えられています。