ツェダカー(寄付)のすすめ
ユダヤ教での寄付のことをツェダカーと呼びます。ツェダカーはヘブライ語で「正義」を意味します。慈善や施しとは少し意味が違います。ツェダカーをおこなうことは正義そのものであるという考えが根底にあります。
お金を稼ぐのは大変なことです。稼いだお金を愛おしく思うのは自然なことです。しかし大切なことは、得られたお金はすべて自分の力で得たものだと考えないことです。いろいろなめぐり合わせで人は生きていて、いろいろなことが同じ一つの世界の中でつながっています。そのことを忘れると、世界が閉塞的で息苦しい、よくない世界になってしまいます。ツェダカーをすることによって、大切な大切なお金を自分から引き離すことによって、体にこれを教え込むことができます。
寄付をされたことがない方は、騙されたと思って小銭でよいのでどこかに寄付してみてください。寄付した瞬間に、寄付があなたの心によい影響をおよぼすのを実感できると思います。
ユダヤの世界では、ツェダカー箱に入れさせるために子供にお金をあげるという習慣があります。自分のお金を寄付するのはつらいけれど、まずは人のお金で、寄付するときの「動き」だけを体に馴染ませるところからスタートするわけです。このように、とても小さな一歩から始めて、自分に良い影響を及ぼしていきます。
創造主に創られた世界の一部として、人間一人ひとりには同じ世界に住む他者に責任があります。私たち一人一人はケアされるべき存在であると同時に、他者をケアする責任を持ちます。授かりものの自分という人間を滅ぼすようなやりかたではよくありませんが、そうでなければできるだけ他者をケアするのが善いことです。(※むやみな援助が援助対象にとって本当の助けにならないことはあります。)
私たちハバッドハウス・オブ・ジャパンにツェダカーをいただければ、それはもちろんありがたいことです。ユダヤ数千年の伝統と創造主が示した善悪の道にのっとって善のために使わせていただきます。しかし、ハバッドに対してでなくても構いません。是非、ツェダカー、寄付を生活に取り入れてみてください。
世界に思いやりと正義が満ちますように。